Anime Quester

アニメについての発信(ビジネス・モデル多め)と、映画の感想。ご連絡は tackman.anime(あっとまーく)gmail.com にてお待ちしてます。

研究旅行

4月6日 第1稿

こんばんは。私が目標にしている「研究旅行」の概要について、ご説明します。

私が長年、胸に抱いているテーマは、とても単純なモノで、
「1人の天才に頼るのではなく、再現可能な方法で、素晴らしい映画を作る方法は何か」という問いです。

何をもって「素晴らしい映画」と言うか。
私個人が想定しているのは、
「中学生の男の子が、たまたま友達に連れられて映画館に来た」、「50代女性3人が、お茶がてら暇つぶしに見にきた」
といったライトなお客様から、
「月に1度は映画館へ足を運ぶ」、「映画が無いと死んでしまう」
といったコアな映画ファンまで、
どんな人に見られても、誰かの心を必ず1度は刺す瞬間がある映画のことを考えています。


「これは、私のことを言ってるに違いない!」と共感してしまったり、
「よっしゃ最高ォォォ~~!!!!!  いいぞ○○、もっとやれ~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と前のめりに鑑賞したりしてしまう瞬間を、
約120分のうち1度は必ず提供するという、そんな映画です。

 

……少しでも、外の世界に何かを発表したことがある人なら、スグに、こんな考えは甘いと思われるでしょう。

「ターゲティングという単語を知っているか?」
「万人向けを狙うって、結局は凡庸な商品しか生まれないんじゃない? ニッチな趣味嗜好に特化して出来る広がりの方が、世の中の流れに合致しているのでは?」
「娯楽が多くなかった時代ならまだしも、配信ビジネスの台頭を鑑みるに、映画の地位は下がっているのでは?」

 

つまり、映画という媒体に何か夢を見ること自体、時代錯誤的(=ユーザーフレンドリーでは無い)な独り相撲の可能性、という指摘です。
(日頃、私自身、先輩方が精魂込めて配給した映画が泣かず飛ばずで落ち込み祭り!な状況を見るのがしょっちゅうなので、なんだかな―と思いながら過ごしております。)
この指摘は、映画だけでなく、映像そのものに、……と生意気に拡張することも、あるいは可能かもしれません。

 

ここで、突然に、アニメの話をします。
「クールジャパンは、なんだかんだポテンシャル凄い! これからこそ勝負の時!」というご意見、沢山あります。

私個人の意見になりますが、日本のアニメが面白いな~と思うポイントは、
アメリカを相手にしたゲームではそれほど好成績を残していないながらも、そんなことを屁とも思わず、「アニメ業界」が「成長している」という、その一点です。

※「世界のアニメ映画ベスト50」という雑(※褒めています)な記事にランクインした日本発アニメは、ジブリ押井守(『攻殻機動隊』)、新海誠(『君の名は。』)。予想外な結果ではありません。が……
※一体どこで誰にウケて、成長しているのでしょうか。
一方で、「日本のアニメ業界はブラックだ!」という話は、アニメに少しでも関心がある人ならば、どこかで聞いたことのある話でしょう。

 2010年代も終わりに近づいた現在ですら、アニメーターさん達が、手描き×鉛筆で原画を描く作業がベースで成り立っている巨大な映像文化圏というのが、とても興味深いのです。


世界的なアニメーション潮流として、「3DCGを用いた計算>手作業」という流れは、私たちが愛する手描きベースの二次元アニメだけではなく、ストップモーションアニメの世界にも押し寄せていることを、ライカ vs アードマンの近年作品から、個人的に強く思っています。

ちなみに、ワールドワイドな観点から「次のジブリ」と言えるのは、アイルランド発のカートゥーンサルーンでしょう。


……冒頭の問いに戻ります。


1人の天才に頼るのではなく、再現可能な方法で、素晴らしい映画を作る方法は何か。

「素晴らしい映画」を巡る問いに、日本ならではの表現方式でいかに食い込めるか、知りたいために、国内外のアニメーションスタジオをこの目で見たいと思い、研究旅行を目指しています。

この問いが、業界に携わる方たちにどれくらい照準があったものなのか、幸運にもあった場合は、日々何を考えてチームを生きていらっしゃるのか、世界のアニメーションに関わる方たちに、ご教示頂きたいと思っています。

私自身は、製作委員会側の出資サイド社にいる人間として、日頃アニメにうっすら関わる仕事をしているとはいえ、アニメの制作の実際の現場を、知っている訳ではありません。
また、特段、日本のアニメに親しんでいるという訳ではありません。

だから、世界へ出かける前にまず、「なぜ日本のアニメ業界はブラックと言われるか?」という問いへの答えを、アニメに携わる様々な方から、お話を伺いたいと思います。ただ単に「ブラック」という切り口に頼った取材するのではなく、日本の豊かなアニメ経済圏を支える仕組みを、正直に、なるべく見たままに、見識を深めていこうと思っています。

以上が、私の「研究旅行」の概要です。

 

-------------------------------------------------
今後の予定(※随時修正)

2018/4~6月 国内アニメスタジオの皆様へ取材
7~10月 Disney, Pixar, Illumination Entertainment, Laika, Netflix(アメリカ)、Aardman(イギリス)、Les Armateurs(フランス)、Cartoon Saloon(アイルランド)取材
-------------------------------------------------