Anime Quester

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「ピアニストを撃つな!」補足

昨日、勢いに任せて滅茶苦茶に書いてしまった稲垣吾郎×園子温「ピアニストを撃つな!」ですが、一夜明け、園短編は凄かったんじゃないかと思うようになりました。

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あの作品、稲垣吾郎のシャワーシーン(と全裸シルエット)から始まり、
途中ピアノを弾いてる稲垣吾郎にカメラ目線で「愛してる」を何回も連発させる(しかもドアップ)という謎場面があるのですが、これって、稲垣吾郎さんファンからしたらこれ以上欲しいものは無い絵柄です。
園監督は、ご自身は娼婦やマッドドッグ大門のキャラデザを楽しみつつ、脚本より稲垣ファンの需要に照準当てたということで、まともにツッコミ入れながら見た自分が野暮でした。(そもそも「クソ野郎と美しき世界」自体に対しても、同じこと言えますが。)

で、考えるのは、アイドル(もしくは芸能人)をテーマにした一連の作品群の想像力です。

Category:アイドルを題材としたアニメ作品 - Wikipedia

雑に大別すると、

 ①ある日突然アイドルデビューしちゃった!系:クリィミーマミ、満月を探してとか
 ②アイドルP目線系:アイドル育成ゲーム発作品
 ③恋人はアイドル系:マクロスシリーズとか

①は無邪気なファンタジーとしても、
②③ってたぶん、『ローマの休日』『ノッティングヒルの恋人』とかと同じ心理で、「みんなから愛されているあの人に愛されている自分ってラッキー!幸せ!」という満足感(or 裏返しとしては「みんなから愛されているあの女を蹂躙してやったぜ」というダークな満足感)でしょう。
それって自分の力でアイデンティティ確立する努力とは無縁ですし、肯定してくれる相手にかなり依存してるなーと、危なさを思いました。雑にひっくるめれば、クラスで一番のイケメンが/大富豪が/スーパーヒーローがなぜか私を~!モノも、ぜんぶ一緒です。
ただ、「そんなこと言われたって、フィクションでくらい夢見させてくれや」もわからないではないし、アイドルモノがこんなに量産されているのは、この心理が多くの人に支持されてきたからだというのが何よりです。(日本オンリーでいえば、落語にも似たテーマとして「紺屋高尾」という人気な噺があります)

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一方で、「王子様を探すのではなく自分が王子様になる!」と決意したウテナ、最近だとマヒシュマティ国王の求婚を撥ねつけて25年幽閉されたデーヴァセーナ、また芸能界全体をクールに描く作品(浮草物語、パーフェクトブルーネオン・デーモンとか)もあったり。そいういえば『リメンバー・ミー』にも、「時代を超えたカルト的人気を誇」るという架空ミュージシャン、エルネスト・デラクルスとのドラマが、傍流として登場しました。

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個人的には、「あー面白かったー」で終わるのではなく、何かしら日常へフィードバックできるものを感じられる映画が好きなので、他人のゲームではなく自分のゲームを生きようマインドな後者の想像力の方が好きです、というお話でした。

「ピアニストを撃つな!」、凄いけどやっぱり好きじゃない!

 

(4/11 追記) 王子様願望について、あまりに雑にまとめすぎたので、近日書きます。