メモ捨て場

映画とポエム

『美女と野獣』あるいは『アナ雪』以降のディズニー作品のポリコレ仕草が鼻についてしまう事への対処法

ネットの感想を見ていたら、結構、同じことを思っている人がいるようだったので。

ディズニーの実写最新作『アラジン』を見たのですが、今回の実写に併せ追加された新要素のなかで大きな割合を占める、

「姫として生まれついたジャスミンは、ただの装飾品であることを望まず、男女関係なく良い君主であることを目指している。そのための障害となっている、「女は黙って、美しくなるための努力と、結婚の努力をすればいい」という既存概念へ、激しい抵抗を示している」

というメッセージが、いささか過剰のように受け取ってしまいました。いや、別に、メッセージの正しさや、ジャスミン姫用に書き下ろされた新曲「スピーチレス~心の声」の内容を否定しているわけではないのです。が、やるならもう少しスマートにやってくれ!!

ディズニーがとても気を使っているのは、理解します。世界的なムーブメントとなった「#MeToo」運動の発端は、2017年10月の、ハーヴェイ・ワインスタインによる女優へのセクハラ問題の露呈(それもひどいセクハラ)、つまりディズニーが所属するハリウッド映画業界から、始まりました。もともと、ディズニーが世界に広めた「お姫様は王子様と結ばれることで幸せになる」というおとぎ話は、世界中の男女、とくに小さな女の子に功罪を与えているとのことで、ジェンダーをテーマにしている活動家や、或いは作り手のディズニー自身、反省の対象にしているトピックです。

※この議題につき、ベストな事例かどうかはわかりませんが、たとえば下記のような議論が行われている、というご紹介

まして、全員女性をキャスティングしたリメイク版『ゴーストバスターズ』がネットで大炎上したり、はたまた、過激な暴力映画のようでいて実はジェンダー問題を繊細にチューニングしているのでは……という理由から『マッドマックス 怒りのデスロード』が支持を得たりする昨今。

映画がローカルの単館でかかり、感想は同好の志のみで共有される時代はとっくに終わっていますので、性をめぐる扱いにつき、特にディズニーのように世界に向けた商品を作る会社が気を遣わなければいけない事情はわかります(最近では、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督の過去twitter発言をめぐる、降板すったもんだもありました。)


……なんだかなぁと思った次第でした。

 

個人的に「まぁ、変更したっつーのは、せやろな」と思う水準

'If he could learn to love another, and earn her love in return by the time the last petal fell, then the spell would be broken.'

⇒ 野獣の愛を勝ち取る人間がhe(男性)であってよいことをはじめ、性自認多様な人でよいので、'another person'へ変更

  • 『アラジン』イントロ"Arabian Nights"の歌詞の一部が変更

"Where they cut off your ear
If they don't like your face
It's barbaric, but hey, it's home"

⇒ 「アラビア=野蛮」は差別的として、歌詞が大幅変更(※詳しくは下記事参照)

上記はわかる。しかし、2017年『美女と野獣』に黒人が出てきたり(いつの時代のどこの話のつもりなんだ?!)、今回『アラジン』でジャスミンが過剰に女性の人権歌い出すのは、「映画館=日常生活から切り離された聖域」と思っている人間にとり、過剰に現実へ干渉している気がして、「映画はこの路線でよいのか……?」という、面倒くさい感想を持たざるを得ませんでした。

そして、本記事タイトルに戻ります。
ディズニーのこの路線、長い目でみれば、支持されたら売れ続ける(作り続けられる)だろうし、不評だったら作られない……という風に、市場が淘汰してくれます。
10年後、もっとポリコレ配慮メッセージが過剰になった映画が作られ、売れているようだったら、私に見る目がなかったということで、流してくださいw

別の視点からの『アラジン』感想

  • 監督がガイ・リッチーだった件、よくよく考えれば「アラジン」って、監督前作の珍アレンジ『キングアーサー』でやった「スラムの王からガキになれ!」まんまじゃん!!!! 監督、好きなテーマに対し、ディズニーっつう盤石な体制で作品作れて、良かった、おめでとうございます!!!!!(?)
  • 実写版『メリー・ポピンズ』、権利問題モメたのか、原作楽曲ぜんぶ封印されたのに比べ、今回は「アラビアン・ナイト」「ワンジャンプアヘッド」「フレンドライクミー」「プリンスアリ」「ホールニューワールド」全部復活!!!! よっしゃああああ!!!!!!

以上、長くなりすぎましたが、喜んでるんだか怒ってんだかわからない感想でした(我ながら、面倒くさ!!!)。例えば、One Jump Ahead のシーンにつき、「ジャスミンと2人で逃避行している」に設定しなすことで、ラブコメ展開の必然性とスピーディーさ増やしていたのが素晴らしかった。「完璧な原作アニメを、こうアレンジしてくれるとは……」と、見てる間は結構泣いていたので、やっぱ実写版『アラジン』好きということで!

"I steal only what I can't afford (That's Everything!)"