映画と恋愛ときどきビジネス

精神が文学部から卒業できてない社会人のポエム帳

女性向けアニメに接近する『an・an』:おそ松さん、ユーリ!!! on ICE、ヒプノシスマイク特集などの変遷

今週号の女性週刊誌an・anが、ヒプノシスマイクの特集をしている。大きな目玉は、付録の、新しい衣装を着たキャラクターたちのロングポスターだそう。

twitterで「anan ヒプマイ」と検索すると、ヒプマイファンのリアルな反応が観察でき、興味深い。

この件、色々ツッコミどころがある。

  1. ファッションブランドじゃないんだし、新衣装お披露目だけで話題になる作品って、あんまなくね……。そもそも、もうすぐ2年になるが、各キャラの絵を未だ3~4バージョンくらいしか用意せず使い回す低コスパ作戦が、版権商売という面からみると素晴らしすぎる(だから、新しい絵が出るだけで特集が組まれることに笑)
  2. なぜ、新衣装披露の媒体にan・anが選ばれたのか。
  3. an・anはいつから、女性向けアニメコンテンツを扱うようになったのか。

①は、「作画をしないアニメ」という逆張りによって女性アニメファンを獲得してしまったヒプノシスマイクという、個人的な見立ての繰り返しだ。改めて気になったのは②③。an・anといえば、抱かれたい男ランキング、SEX特集(「SEXでキレイになる」というコピーが有名)、占い、あるいはジャニーズファン向けコンテンツといった、「現世にあるネタでいかにハッピーになれるか」を志向した極めて現世利益的な雑誌という偏見があり、「2次元、オタク、萌」といったコンテンツ群とは、対局の位置にあると思っていた。

ところが、上記は私の思い込みであり、編集部の方針としては「売れそうな内容なら何でも扱いまっせ」というものだったらしい。

『an・an』はかつては、女性ファッション誌としてオピニオンリーダーのような存在でしたが、特に1980年代にSEX特集をし始めたころから、劇的に変質してきています。今は、もはやファッション誌というカテゴリーではなく、女性が興味のあることならなんでも取り上げる、いわば「雑食系」の総合週刊誌になったと言えます。

こうしたなかで、女性向けアニメというカテゴリーが、編集部の目にとまった。*1

まずは漫画特集を皮切りに、「2次元ネタは売れる!」という確信が、編集部内で徐々に広まったのではないか。

ただ、この頃はまだ、漫画を読む榮倉奈々の写真や「もし漫画に登場するキャラクターと恋愛するなら……」といった、現実世界に近い切り口だった。

転機になったのは、2015年秋からヒットした『おそ松さん』の特集号だ。

 

☆2016.05.11 「教えて! 手相/おそ松さん」特集

どうやら編集部に、アニメ好きな女性が1人いて(編集長Kさんという方?)、企画が実現したらしい。声優やスタッフへのインタビューといった定番に加え、おそ松さん」たちのグラビア(?)、キャラクターへのインタビュー(?)、付録もきっちりつくという、他のプロパーアニメ雑誌と変わらない内容になっている。

この号の反響を経た結果、an・anは不定期に、本格的にアニメを特集した号を出すようになった。

☆2017.03.22 「呼吸と体幹」特集 ※羽生選手ネタに併せ、女性に人気が出たフィギュアスケートアニメ「ユーリ!!! on ICE」特集入り。スペシャル書下ろし特大ポスターつき。

☆2017.11.15 「カラダにいいもの大賞/おそ松さん」特集

☆2017.11.28 「人生を変えるアニメ」特集

☆2018年12月 ヒプノシスマイク連載企画スタート

☆2019.5.22 「さらざんまい anan SPECIAL」特集 

幾原邦彦、まさかのan・anデビュー(笑) 幾原好きなので嬉しい一方、『さらざんまい』を取り上げる前に特集した方がいいアニメは幾らでもある気がする。大人の事情が働いたのだろうか。

こうして振り返ると、ジャンプなどの原作付きアニメは無理っぽく、原作を持たないオリジナルモノが選ばれているのも面白い(時代が時代なら、ヘタリア特集とかあったのかもしれないですね)。

そして、戻ってきて、今週のヒプノシスマイク新衣装お披露目号。

ヒプノシスマイク自体は、前述のとおり単純なアニメ作品とは言い難いものだ。が、キングレコード発・声優オーディションからスタートし、ライブ開催で大きく刈り取るモデルのコンテンツが、ジャニーズネタへも関心があるan・an編集部に容易にアピールされたことは、想像しやすい。

*1:女性向けアニメの興亡については、言いたいこと沢山あって長くなるので、またいつか!!!